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- 医療コラム
- 2016.03.15
「いつものめまい」と軽く考えないで
「じっとしていれば治るから」と放っておくと、耳が聞こえなくなったり、時には生命が危険にさらされることも。
めまいについて正しく理解しておきましょう。
ひとくちに「めまい」といっても、タイプによって症状や原因はさまざまです。
めまいには、大きく分けると、「立ちくらみ」「回転性のめまい」「浮動性のめまい」の3タイプがあります。
立ちくらみは、文字どおり立ち上がったときにクラッとするめまいです。主な原因は自律神経の乱れによって血圧の急激な変化が起き、
脳への血流量が減少することです。回転性のめまいは自分や周囲がグルグル回っているように感じるめまいで、
多くは耳の一番奥にある内耳や、体のバランスを調節する前庭神経の病気で起こります。
浮動性のめまいは、体が宙に浮いているような感じ、周りがゆらゆらと揺れ動く感じのめまいで、
ストレスや過労、寝不足などで引き起こされやすいとされています。
耳鳴りや難聴などを伴うときはメニエール病の疑いが
回転性のめまいを起こす代表的な病気にメニエール病があります。めまいの発作は通常、10分程度から半日程度続きます。
めまいと同時に、耳鳴りや難聴、耳が詰まった感じ(耳閉感)などの症状が起こるのが特徴です。
何度もめまいを繰り返していると、耳鳴りや難聴が悪化することがあるので早めに治療を受けることが大切です。
メニエール病は内耳の中を満たしているリンパ液が増え、水ぶくれのような状態になることで起こります。
何が原因でそのような状態になるのかはわかっていませんが、ストレスや寝不足、過労などがきっかけで発症することが多いようです。
したがって治療では、ストレスや寝不足などを解消することが第一となります。
趣味を楽しむ、軽い運動をするなど、自分なりの解消法を見つけましょう。食事や就寝時間などを規則正しくすることも大切です。
また、必要に応じて利尿薬で増え過ぎたリンパ液の排泄を促したり、循環改善薬で内耳の血流をよくする薬物療法などが行われます。
脳卒中や脳腫瘍が原因のことも
浮動性のめまいでは、脳の血管が詰まったり破れたりする脳卒中や、脳腫瘍などが原因となっていることがあります。
体の麻痺やしびれがある、ろれつが回らない、意識が低下しているといった症状を伴う場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
めまいは、ここで紹介したメニエール病や脳卒中、脳腫瘍以外にも、さまざまな病気が原因で起こります。
めまいが長く続いたり、繰り返される場合には、耳鼻咽喉科やめまい外来などを受診しましょう。