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- 医療コラム
- 2017.02.21
「突然の尿意」、頻繁にありませんか?
寒いとどうしてもトイレが近くなりがちです。
しかし季節を問わず、日ごろから突然尿意を覚えてたびたびトイレに行く、 時にはトイレに間に合わず漏らしてしまう、といったことはありませんか。
「過活動膀胱」かもしれません。
突然トイレに行きたくなり、尿漏れすることも腎臓から送られてきた尿は膀胱に一時貯蔵されます。
膀胱は伸縮性に富んだ筋肉の袋で、排尿時以外は尿が外に漏れないように、袋の出口は尿道括約筋によりしっかり締められています。
尿が一定量たまると、その情報が脳に送られ、尿意として意識されます。
すると脳はいったん排尿を抑制します。トイレに入り、便座に腰かけるなどして排泄環境が整うと、尿がたまったという情報が再び脳に伝えられ、
尿が一定量たまると、その情報が脳に送られ、尿意として意識されます。
すると脳はいったん排尿を抑制します。トイレに入り、便座に腰かけるなどして排泄環境が整うと、尿がたまったという情報が再び脳に伝えられ、
それまでの抑制命令は解除され、膀胱が収縮して尿道括約筋が緩み、尿が排泄されます。
ところが、膀胱にたまった尿が少量であるにもかかわらず、膀胱が勝手に収縮してしまうことがあります。
すると、突然強い尿意を感じてトイレに駆け込んだり、トイレに行く前に漏らしてしまったりします。
これが「過活動膀胱」です。
ところが、膀胱にたまった尿が少量であるにもかかわらず、膀胱が勝手に収縮してしまうことがあります。
すると、突然強い尿意を感じてトイレに駆け込んだり、トイレに行く前に漏らしてしまったりします。
これが「過活動膀胱」です。
生活指導や膀胱訓練も治療として行われる
過活動膀胱の原因には、脳や脊髄の障害、前立腺肥大症、骨盤臓器脱、骨盤底の緩みなどがありますが、原因がはっきりしない場合も少なくありません。
過活動膀胱は問診でほぼ診断がつきますが、膀胱炎や結石、膀胱がんといった、過活動膀胱と似た症状を引き起こす病気があるため、
通常は尿検査や血液検査などによる鑑別診断が行われます。
治療の中心は「行動療法」と「薬物療法」です。行動療法の一つに生活指導があります。
例えば、水分を摂りすぎている場合には、減らすように指導を行います。
また、過活動膀胱の危険因子である肥満や便秘の改善、禁煙がすすめられます。
トイレに行きたくなっても我慢して排尿間隔を開けるようにする膀胱訓練や、肛門周辺の筋肉を締めたり緩めたりして、骨盤底にある筋肉を鍛える体操も、効果が期待できます。
医療用医薬品の成分を含んだ市販薬もある
薬物療法では、一般に膀胱の収縮を抑える抗コリン薬などが用いられます。
この薬は口の渇きや便秘などの副作用が現れることがあります。
また、以前から頻尿治療に使われてきたフラボキサート塩酸塩という医療用成分を配合した市販薬も出ています。
過活動膀胱があると安心して外出できず、家に引きこもりがちになるなど、生活の質の低下につながります。
恥ずかしがらずに泌尿器科を受診するか、薬剤師に相談しましょう。
<イラストレーション>
堺直子