• 医療コラム
  • 2016.11.02

薬と健康の週間を機会に、薬箱の点検を

10月17日~23日までの1週間は、医薬品を正しく使用することの大切さ、
そのために薬剤師が果たす役割の大切さを一人でも多くの国民に知ってもらおうという「薬と健康の週間」でした。
これを機会に、いざというときに役に立つ「薬箱」を見直してみませんか。
 
・使用期限が切れた薬や不足しているものはない?
ほとんどのご家庭に、薬箱が置いてあるのではないでしょうか。ちょっと開けてみてください。
未開封の薬や使いかけの薬、医師から処方された残りの薬などが雑然と入っていませんか。
薬箱以外にも、ハンドバッグや机の中などに収まっているものがあるかもしれません。
あちらこちらに散らばっている常備薬を、少なくとも1年に1回は集めて整理をしましょう。
使用期限が切れているものや、外箱を捨てたりして使用期限が不明なものは処分しましょう。
  

・家庭の事情を考慮して常備薬を揃えよう
保管しておく薬が決まったら、次に不足しているものはないかをチェックします。
常備しておきたい内服薬としては、風邪薬、解熱・鎮痛薬、胃腸薬、便秘薬、下痢止め、整腸剤など、
外用薬ではうがい薬、目薬、湿布薬、消毒薬などがあります。
風邪薬は、風邪の諸症状をやわらげる総合感冒薬のほかに、痰を伴う咳に効く去痰薬、痰がない咳をしずめる鎮咳薬など、
数種類を用意しておくとよいでしょう。

胃腸薬も、食べすぎたときなどに胃酸の分泌を促し、消化を促進させる消化剤と、
胸やけや胃もたれなど胃の働きが過剰になったときに胃酸の分泌を抑える制酸剤の2種類を常備しておくことをおすすめします。

また、お子さんのいる家庭では小児用解熱剤や風邪用シロップ、
お年寄りのいる家庭では腸内環境を整える整腸薬、
スポーツをする人がいる家庭では筋肉痛のための貼り薬や塗り薬、
といったように、家庭の事情を考慮しながら必要なものを揃えることも大切です。

薬箱の保管場所を決めておきましょう
薬以外にも、体温計、はさみ、ピンセット、包帯、ガーゼ、マスク、ばんそうこう、綿棒、テープなどの衛生用品も忘れず薬箱へ入れておきましょう。

薬箱の中身が揃ったら、薬の使用期限や開封日がひと目でわかるチェックリストを作っておくと次回のチェック時に役立ちます。
薬は温度と湿度が苦手なので、薬箱は高温多湿、直射日光を避けて保管します。
保管場所はあちこち変えずに、家族全員がわかるように一カ所に決めておきましょう。

なお、どのような薬を常備しておけばよいかなど、薬箱についてわからないことがあるときは気軽に薬剤師にご相談ください。

<イラストレーション>
堺直子