• 医療コラム
  • 2018.12.26

インフルエンザ予防接種、まだの方はお早めに

インフルエンザの流行シーズンに入りました。
インフルエンザウイルスの感染力は強く、日本では毎年1,500万人前後が感染するといわれています。
特に高齢者や乳幼児、慢性的な心臓病や腎臓病、糖尿病などがある人は重症化しやすいので注意しましょう。
 
ワクチンの効果は約5カ月間持続
インフルエンザ予防の有効な方法にワクチン接種があります。
「予防接種って、流行前にするものじゃないの。流行が始まってからでは遅いのでは」と思っている方が少なくないようです。
もちろん、流行前の接種が望ましいのですが、流行してからでは遅すぎる、だから接種を受けても意味がない、ということではありません。
インフルエンザの流行シーズンは12月から3月上旬ぐらいまで。
一方、ワクチンの効果は出始めるまでに約2週間かかりますが、その後約5カ月間、持続するといわれます。
流行シーズンに突入したとはいえ、インフルエンザの猛威は3月ぐらいまで続きます。
今から接種を受けても、シーズン期間中、その効果を十分に得られます。
ワクチン接種はインフルエンザにかかる危険性を減少させるだけでなく、発症しても重症化を抑える一定の効果があることが分かっています。
重症化予防という観点からも接種を受けることが勧められます。
 
手洗いやマスクの着用など、日常生活でも対策を
ワクチン接種だけでなく、日常生活での対策も大切です。
インフルエンザは飛沫感染と接触感染によって人から人へとうつっていきます。この感染経路を断ち切ることが大事です。
外出から戻ったときには、せっけんと流水で丁寧に手洗いしましょう。
アルコールを含んだ消毒液を使用するのも効果的です。人混みの中ではマスクを着用することで、感染したり、
人にうつしたりする可能性を減少させることができます。
なお、マスクをしていないときに咳やくしゃみをする場合は、ティッシュやハンカチ、袖や上着の内側などで口と鼻を覆い、
人に顔を向けない“咳エチケット”で対応しましょう。
インフルエンザウイルスは湿度の高い環境が大の苦手です。
加湿器を利用するなどして、室内を乾燥させないことも重要なインフルエンザ対策です。
体温が低いと免疫反応が鈍くなり、ウイルスや病原菌を退治する自己防衛の機能が低下します。
今回の特集で紹介している冷え対策はインフルエンザ対策にもつながります。
 
インフルエンザが疑われるときは速やかに受診を
高熱や全身の関節痛・筋肉痛、頭痛などの症状がみられるときは速やかに医療機関を受診しましょう。
特に高齢者や乳幼児などは重症化すると命に危険が及ぶことが少なくないので、早めの受診がより重要になります。
最近ではさまざまなマスクが売られており、選択に迷うことがあります。
そんなときは、薬剤師に気軽にご相談ください。そのほか、インフルエンザや風邪について分からないことがあるときなども薬剤師におたずねください。
 
 
<イラストレーション>
堺直子